- HIP HOP

                            レーベル -

 

 

 

 

1990年代前後に運営していたヒップ・ホップ・レーベル

 

 

 

Bad Boy(バットボーイ)

 

Uptown(アップタウン)から独立したSean Puffy Combs(ショーン・パフィ・コムズ)が設立。 

 

The Notorious B.I.G.(ザ・ノトーリアスBIG)やCraig Mack(クレイグ・マック)などが所属。彼らの商業的な成功は、ヒップホップのありかたを少なからず変えた。

 

 

 

B-Boy(Bボーイ)

 

ハードコアな作品が多いレーベル。Boogie Down Productions(ブギー・ダウン・プロダクションズ)の初期作品などは、ここからリリースされた。 

 

JVC Force(JVCフォース)、Busy B(ビジーB)、Cold Crush Brothers(コールド・クラッシュ・ブラザーズ)などが所属。 

  

 

Cold Cillin'(コールド・チリン)

 

マネジメントを手がけるTyrone Williams(タイロン・ウィリアムズ)とプロデューサーのMarley Marl(マーリー・マール)によるレーベル。 

 

Marley Marl(マーリー・マール)の手がけたアーティストたちを総称してJuice Crew(ジュース・クルー)と呼ぶ。とくに1988年~1989年の作品はすべて良盤となっている。 

 

なお、所属アーティストであるBiz Markie(ビズ・マーキー)やBig Daddy Kane(ビッグ・ダディ・ケイン)の初期作品は、Cold Chillin'(コールド・チリン)の前身的なレーベル、Prism(プリズム)からリリースされている。

 

 

 

 

Def Jam(デフ・ジャム)

 

Kurtis Blow(カーティス・ブロウ)やRun-DMC(ランDMC)のマネージャーをやっていたRussell Simmons(ラッセル・シモンズ)とヘヴィ・メタル好きの白人青年Rick Rubin(リック・ルービン)が1985年に設立(リックは途中で独立)。 

 

LL Cool J(LLクールJ)やBeastie Boys(ビースティ・ボーイズ)、Public Enemy(パブリック・エネミー)などのアーティストを次々と輩出。ヒップホップの象徴的なレーベルといえる。 

 

近年では、Def Jam(デフ・ジャム)内で中小規模のレーベルが派生している。Jay-Z(ジェイZ)のRoc-A-Fella(ロッカ・フェラ)や、Ruff Ryders(ラフ・ライダーズ)などが有名。

 

 

 

Delicious Vinyl(デリシャス・ヴァイナル)

 

1987年にマット・ダイクとマイケル・ロスによってLAで立ち上げられたインディ・レーベル。非ギャングスタ・ラップのスタンスで独自の西海岸テイストを提唱した。 

 

西海岸のポップMCとして知られたTone Loc(トーン・ロック)の作品がヒットし、一躍有名となる。 

 

さらに、The Pharcyde(ファーサイド)のデビュー作が成功をおさめ、新たなファンを獲得。西海岸有数のレーベルとなった。

 

 

 

Death Row(デス・ロウ)

 

Easy-E(イージーE)と決裂したDr. Dre(ドクター・ドレ)が、Suge Night(シュグ・ナイト)とともに設立。 

 

Dr. Dre(ドクター・ドレ)とSnoop Doggy Dogg(スヌープ・ドギー・ドッグ)の作品が大ヒット。Gファンク旋風を巻き起こし、西海岸を代表するレーベルとなった。 

 

後に2Pac(2パック)らを中心に、東西戦争が勃発。以後「キナ臭い武闘派レーベル」という印象に。

 

 

 

 

Fresh(フレッシュ)

 

EPMD(イー・ピー・エム・ディー)やNice & Smooth(ナイスン・スムース)が所属していたレーベル。 

 

1989年ごろに倒産。主要な所属アーティストはDef Jam(デフ・ジャム)へと移籍した。 

 

ほかにも、T La Rock(Tラ・ロック)やJust-Ice(ジャスト・アイス)なども名盤をリリースしている。

 

 

 

 

Jive(ジャイブ)

 

1981年にイギリスで設立。その後1984年には拠点をアメリカに移す。Whodini(フーディニ)らのヒットによってその基盤を築いた。 

 

A Tribe Called Quest(トライブ・コールド・クエスト)や、Boogie Down Productions(ブギーダウウン・プロダクションズ)の作品をリリース。

 

 

 

 

Loud(ラウド)

 

DJのStretch Arm Strong(ストレッチ・アームストロング)をA&Rに招き、アンダーグラウンドにも目を向けたレーベル。SRC Records(SRCレコード)傘下。 

 

Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)や、Mobb Deep(モブ・ディープ)、The Beatnuts(ビートナッツ)などが所属。 

 

2002年にレーベルは閉鎖された。

 

 

 

 

Luke Skyywalker(ルークスカイウォーカー)

 

2 Live Crew(2ライブ・クルー)を率いていたLuther Campbell(ルーサー・キャンプベル)が1990年に設立。 

 

過去に元Public Enemy(パブリック・エネミー)のProfessor Griff(プロフェッサー・グリフ)がアルバムをリリースしたこともある。 

 

CD音源はほとんど存在しないようだ。

 

 

 

Next Plateau(ネクスト・プラトゥ)

 

Salt-N-Pepa(ソルト・ン・ペパ)など、Herbie Love Bug(ハービー・ラヴ・バグ)の手によるポップな作品を得意とするレーベル。 

 

Ultramagnetic MC's(ウルトラマグネティック・エムシーズ)のデビュー・アルバムもここからリリースされた。

 

 

 

Priority(プリオリティ)

 

1985年に設立。Ice Cube(アイス・キューブ)やその周辺アーティストの諸作をリリースしている。

 

 

 

 

 

Profile(プロファイル)

 

1981年に設立された古株レーベル。看板アーティストはなんといってもRun-DMC(ランDMC)。 

 

かつてUptown(アップタウン)の社長Andre Harrell(アンドレ・ハレル)のグループであった、Dr.Jekyll And Mr.Hyde(ドクター・ジキル&ミスター・ハイド)の「Genius Rap」もヒットした。 

 

新人発掘にも精力的で、西海岸やヒューストンのアーティストと積極的に契約を交わしてきた。しかし経営困難となった1997年、Arista Records(アリスタ・レコード)にレーベルを売却している。

 

 

 

 

 

Rawkus(ロウカス)

 

Brian Brater(ブライアン・ブレイター)とJarret Myer(ジャレット・メイヤー)により1996年に設立。 

 

地下で活動している有能なリリシストを発掘した「Lyricist Lounge」はコアなヒップホップ・リスナーの話題となった。

 

 

 

 

Relativity(リラティヴィティ)

 

もともとはロック系の作品を手がけていたレーベルであったが、1992年のChi-Ali(チ・アリ)のアルバムからヒップホップ路線へとシフトチェンジ。 

 

以後、The Beatnuts(ビートナッツ)やCommon(コモン)などの優れた作品を提供。

 

 

 

 

 

Rowdy(ロウデイ)

 

TLC(ティー・エル・シー)の大ヒット曲「Creep」などのプロデュースで知られるDallas Austin(ダラス・オースティン)が運営するアトランタのレーベル。

 

 

 

 

Ruthless(ルースレス)

 

Easy-E(イージーE)が1987年に設立したレーベル。N.W.A.関係や、彼が手がけた新人たちの作品などをリリースしていた。 

 

西海岸のレーベルだけあって、LA周辺のアーティストが多く所属している。 

 

看板アーティストは、Bone Thugs-N-Harmony(ボーン・サグスン・ハーモニー)。

 

 

 

 

Sugar Hill(シュガーヒル)

 

ピロウ・トーク」あんどの名曲で知られるドスケベ系女性R&Bシンガー(シルヴィア・ロビンソン)が1979年ごろに設立。 

 

Sugar Hill Gang(シュガーヒル・ギャング)「Rapper's Delight」、Grandmaster Flash And Furious Five(グランドマスター・フラッシュ&フューリアス・ファイブ)「The Message」、Spoonie Gee(スプーニー・ジー)「Spoonie's Back」など、オールドスクールの名曲を多数リリースした。 

 

Bobby Robinson(ボビー・ロビンソン)が設立したEnjoy Records(エンジョイ・レコード)とともに、オールド・スクール期の柱となるレーベルだ。

 

 

 

 

 

 

Tommy Boy(トミーボーイ)

 

Tom Silverman(トム・シルバーマン)が設立した老舗レーベル。 

 

Afrika Bambaataa(アフリカ・バンバータ)「Planet Rock」でエレクトロ・ラップというジャンルを打ち出し、注目を浴びた。 

 

その後ニュー・スクールが台頭すると、De La Soul(デ・ラ・ソウル)やQueen Latifah(クイーンラ・ティファ)、Naughty By Nature(ノーティ・バイ・ネイチャー)などを排出。

 

 

 

 

 

Tuff City(タフ・シティ)

 

Wild Pitch(ワイルド・ピッチ)などと並ぶNYインディ・レーベルの雄として知られている。 

 

1988年にリリースされたThe 45 King(ザ・45キング)「Master Of The Game」など、名盤はいくつか存在する。 

 

ブレイク・ビーツのレコードにも力を入れていた。

 

 

 

 

 

Wild Pitch(ワイルド・ピッチ)

 

Stuart Fine(スチュアート・ファイン)が1985年に設立。古くはGang Starr(ギャング・スター)やMain Source(メイン・ソース)、Chill Rob G(チル・ロブG)らが所属していた。 

 

1990年代初頭(1989年~1996年)の作品が多い。多くの名盤を残したが、有能なアーティストをうまくプロモーションできず、経営破たん。レーベルは閉鎖となる。 

 

流通が停止するやいなや、中古市場でレコードの価格が高騰。2008年にほとんどの作品が再販され、多少緩和された。

 

 

 

 

 

reck(レック)

 

ハウス・ミュージックの作品をリリースしていたNervous Records(ナーヴァス・レコード)が、ヒップホップ用につくったレーベル。 

 

Black Moon(ブラック・ムーン)を中心に、Boot Camp Clik(ブート・キャンプ・クリック)周辺のアーティストが多く所属している。 

 

レゲエ用のレーベルとして、Weeded Records(ウィーデッド・レコード)というのも存在している。

 

 

以上22レーベルですが、現在では倒産してしまったレーベルも多数あり、そこからリリースされた名盤が廃盤となっているのが悲しい現実です。